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 腐食は、金属が環境の作用で化学的に浸食される現象で、湿食と乾食に大別されます。

 乾食の代表的な例では、空気中で起こる酸化がありますが、極めて腐食速度が遅く問題にはなりません。しかし種々の高温ガスや炭酸ガス、そして水蒸気によって酸化が起こります。常温付近の温度での腐食には、液体の水が不可欠ですが、水があるだけでは腐食は進行することはありません。

 酸素や酸などの腐食反応に直接かかわる物質が存在してはじめて腐食が起こります。常温付近では、酸素や酸は金属と接して、直接、化学反応を起こすことはできません。必ず電気化学的な反応過程を経由するのです。電気化学的な反応にはイオンが存在しなければなりません。イオンが存在するための媒体として「水」が必要なのです。

 電気化学的に起こる腐食の原理を知るためには、乾電池で起こる現象を考えると分かり易い。乾電池は、亜鉛のケースの中に炭素棒を入れ、間を塩化アンモニューム(NH CL)等の電解質で満たしたもので、その電解質はイオンを含んでいて、直接の電流をイオンの働きによって運び、電流を流すことができるのです。

 炭素棒がプラス極、亜鉛がマイナス極となり、起電力を生じるのは、2つの極をつなぐ電線と、2つの極の間を満たす電解質によって与えられるのです。
こうして電流が流れた結果、乾電池に起こる変化の最大のものは亜鉛がイオンに変わったことで、これは亜鉛が腐食して溶けたことに相当するのです。湿食のほとんどすべてが、乾電池における亜鉛の溶解と同じように電池が構成され、そのマイナス極となった部分が溶けるということによって進行するのです。そのような電池を腐食電池と言っています。

 また1つの均質な金属でも、これが接する環境が一部でも違っていると、環境の違いに起因する腐食電池が形成されます。海洋環境で目にする平均干潮面直下の腐食の激しさの原因(酸素濃淡電池)は、水面付近の波により溶け込んだ酸素の濃度に差ができることによって発生するといわれています。
 金属の腐食がどのようにして発生するか、以上の内容でご理解頂けたと思います。



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